FUKAMIZU SHOSAKU ARTWORK

絵本『ピノチオ』

「おやっ この木はものをいう・・・」
ゲペットぢいさんは ものをいう木をもらいました。

その木で面白い人形をこしらえました。そしてピノチオという名をつけました。

おじいさんが着物をきせようとするといやがってどんどん逃げだしました。

ピノチオは気がつくと 足がこげています。
「さあ大変、おじいさん早く来て下さい」と泣き出しました。

がくたいが ぷかぷかどんどん やってきました。それは人形しばいです。

人形たちはピノチオを大よろこびで人形しばいのなかまにしてくれました。

「はっくしょい はっくしょい」この親方は くしゃみをすると 大変になさけぶかくなるのです。

猫と狐は あわれっぽく お腹がすいて歩けないというので ピノチオはご馳走してあげるといゝました。

からすのお医者が「ピノちゃん お金を取られるぞ!」 猫はとび上がり パクッとからすを食べました。

だまされるともしらず 猫と狐をすっかり好きになり ご馳走を食べに行きました。

「可愛そうに すぐお医者さまをよんであげましょう」と 森のお姫さまが助けにきました。

からすとふくろうとこおろぎのお医者達がぞろぞろと出て来てピノちゃんをもと通りにしました。

きつゝきの大工さんは うそつきピノちゃんの鼻をコツコツとくちばしで叩いて直してくれました。

すっかり いゝ子になって お姫さまにたくさんお礼を言って おうちへ帰りました。

悪者が猫と狐だったとは知らずに「畠にお金をまけば直ぐに増えるよ」とだまされてしまいました。

わる狐が「こゝがふしぎの畠です。お金をまくと生えてくるから早く早く」 わる猫もせきたてました。

「だまされた欲ばりピノチャン・・・遊んでお金は出来ないよ」

お猿のお巡りさんは「こらこら、おまえが牢やに入るんだよ。こゝはあべこべ村だぞ」といゝました。

牢やから出て 腹ぺこのピノチオに美味しそうなぶどう畠がみえました。
でも、足もとには“わな”が・・・。

「もしも いたちをつかまえたらゆるしてやろう」と かわいそうに犬小屋につながれてしまいました。

「犬はねているよ」いたち達は安心しました。 その時 ピノチオは「わんわん!いたずらいたちだー」

泳ぎながら おじいさんを探しましたが、とうとう夜になってもどうしても見つかりません。

水くみのお手つだいは ずいぶん重くてくたびれますが えんやらやっとこさとがんばりました。

水くみが済んだ時 お礼を言った人をよく見ると お母様ぐらいの年になった森のお姫さまでした。

学校の友達はピノチオをからかって犬をけしかけました。さあ 困った。
海へにげこむより他ありません。

木で出来ているピノちゃんに とうとう犬が負けてしまい 可愛そうに思い犬を助けてやりました。

りょうしは「お前は何という魚だ」
「ぼくは人形だい」とピノチオ。でもフライにされそうになりました。

助けた犬がとんできて りょうしにくいついて 「ピノちゃん にげろ わんわんわーん」と叫びました。

でんでん虫は「これは困った」と 家の中へひき返し ご馳走を持って出なおしてきました。

「あそびに行こう ろばに股がりはいどうどう」おじいさんなんかわすれ ろばの市場へひとはしり。

耳が・・手が・・足が・・たちまちろばにかわります。こゝはろばの市場なのです。

子供はみんなろばになる。いくら泣いても間にあわない。・・・こゝはろばの市場です。

ろばになったピノちゃんは曲馬で走って、くるくる廻って転がって 足折れろばになってしまいました。

どんぶり海へなげ込まれ 魚がすっかり皮を食べたので もとの人形にはやがわり。

海の中からドッグフィッシュがピノちゃんをパックリまるのみにしてしまいました。

「おじいさん
早くこゝから逃げましょう」
ドッグフィッシュがねてる間にやっとこさで逃げ出しました。

からす ふくろう おしゃべりこおろぎとでんでん虫が「おめでとう」と お祝いにきました。

挿絵